建築技術が価格で負ける本当の理由

「うちの技術なら絶対に負けない」
そう信じているのに、
なぜかお客様は価格の安い同業者を選んでしまう。

その理由は、お客様が本当に欲しい価値を、
あなたが言語化できていないだけなのです。

言語化と多くのマーケッターが言いますが、
本当の言語化とは何か、
彼らはわかっていません。

だからこそ、
あなたが本質を理解しておく必要があります。

建築業界の多くの経営者が「技術で勝負する」
と言いながら価格競争に巻き込まれています。

その原因は、職人気質ゆえに
顧客の本心を読み解く習慣がないことにあります。

建築業特有の技術力を顧客価値に変換する
3つの視点を見ていきましょう。

建築業のお客様が口にする
「予算を抑えたい」という言葉を
鵜呑みにしてはいけません。

本当に予算がないのか。
予算はあるが抑えたいのか。
予算と言っていることの内訳は何を示しているのか。

そこまでお客様は語ってくれません。
その語られない本心を見抜くことが重要です。

多くの建築業者は、
お客様が口にした言葉だけを聞いて見積もりを出します。

しかし、言葉にならない本心を読み解かなければ、
技術力は単なる仕様比較の対象になってしまいます。

 お客様の表情、質問の仕方、現場見学での反応。
これらすべてに心理的な背景があります。

表面だけ見ていては、永遠に価格勝負から抜け出せないのです。

あなたの技術説明を、お客様は理解していません。

「通気工法」「剛床工法」「高断熱仕様」
と言えば言うほど、お客様の頭の中では
「よくわからないから、安いほうにしよう」
という判断が働きます。

職人気質の経営者ほど陥りやすいのが、
正確さを優先しすぎて伝わらなくなるという矛盾です。

お客様が知りたいのは工法の詳細ではなく、
自分の思い描いた外観や快適さや
家族との団らんなどのイメージなのです。

専門性が高いほど、
それを一般の言葉に言語化する力が求められます。

 この変換作業ができていないと、
どんなに優れた技術も
「何がすごいのかわからない」で終わってしまいます。

建築を検討するお客様には、
情報収集から契約までの心理的な段階があります。

家の完成見学会にピクニック気分で情報収集に来るお客様から、
あなたの技術を確認するために来るお客様までいます。

「家づくりに興味を持ち始めた段階」
「複数社を比較検討している段階」
「最終決断を迷っている段階」。

それぞれで必要な情報も、伝え方も異なります。

この段階を無視して一律の対応をするから、
お客様は価格だけで判断せざるを得なくなります。 

お客様の心理状態に合わせて、
必要な情報を必要なタイミングで提供する設計が、
高単価受注への道筋なのです。

理論だけでは実感が湧かないかもしれません。
実際に顧客心理の読み解きと言語化で成果を出した
建築業の事例を見ていきましょう。

どの事例も、技術力は変えずに伝え方の設計だけで結果が変わっています。

30年の経験を持つ工務店の社長は、
施工事例を並べても価格競争に悩んでいました。

工法や材料の説明ばかりで、
お客様の根本的な不安には触れていなかったのです。

Before:施工実績と技術力をアピールするも月3件の問い合わせで価格競争に苦戦
After:お客様の「言葉にならない不安」を読み解き、それに応える情報提供の導線を設計

具体的な変化:
「いつ着工できますか」という質問の裏にある
「子供の入学前に引っ越したい」「仕事の繁忙期を避けたい」
「予算と着工時期のバランスが心配」
という時期に関する不安を読み解き、
その不安を解消する段階的な情報提供に変更
結果:
8ヶ月で月7件の安定した問い合わせ獲得、
成約率も28%から45%に向上。
価格交渉がほぼゼロに変化しました。

デザイン力に自信を持つ設計事務所の所長は、
「RC造」「開口部」などの専門用語で説明し、
お客様の表情が曇ることに気づいていませんでした。

Before:設計の専門用語で説明し月4件程度の相談で差別化に悩む
After:お客様の「本当に知りたいこと」を読み解き、その疑問に応える言葉で価値を再定義

具体的な変化:
「耐震性能」という言葉の裏にある「家族を守りたい」
「地震が来ても安心して眠りたい」という願いを読み解き、
構造設計を「家族の安心設計」として価値を言語化
結果:
7ヶ月で月8件の相談獲得、設計契約単価が平均1.7倍に向上。
紹介による新規顧客も増加しました。

問い合わせは来るものの契約に至らないリフォーム業者は、初回訪問で見積もりを出し、お客様に「押し売りされた」と感じさせていました。

Before:技術説明をするも月5件の問い合わせで契約率に悩む
After:お客様の心理段階を読み解き、各段階に応じた情報提供を構築

具体的な変化:
「情報収集段階」「比較検討段階」「決断段階」
それぞれで求められる情報が違うことを理解し、
焦らず段階的に信頼を構築する設計に変更
結果:
9ヶ月で月9件の問い合わせ獲得、
成約率も35%から58%に向上。
高単価リフォームでも「安心してお任せします」
と言われるようになりました。

建築業で技術力が価格で比較される理由は、
3つの構造的な問題があるからです。 

お客様の本心を読み解けていない、
職人言葉をお客様言語に変換できていない、
お客様の心理段階設計ができていない、この3つです。

逆に言えば、顧客心理を深く読み解き、
それを適切に言語化できれば、
価格競争から完全に脱却できます。

実は、建築業界は特に技術一筋で歩んできた経営者が多いからこそ、
適切な支援で大きな成果が出やすい業界なのです。

具体的な読み解き方と言語化の手法は、
あなたのビジネスに合わせて設計する必要があります。

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【編集後記】

自分の学校でない建築科と
高校時代に交流がありました。

ある時、
「型板ガラス」を「柄ガラス」と言ったら
全員が大笑い。

大工さんや鳶さんなどと
幼い時から交流のある私でさえ、
こんなものです。

だから、
一般のお客様にあなたの話は、
何も伝わっていないことがありますから、
気を付けてくださいね。

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成果保証型V字回復メソッド開発者
マインドック 代表 鈴木栄美子

大手企業から個人起業家までの集客をコンサルティングし
9割のクライアントを増益させたメソッドの開発者

2001年独立。クライアント延べ3万人以上
フジTV/日本TVその他メディア出演多数
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