なぜ丁寧な説明ほどお客様は逃げるのか

真剣にお客様のことを考えて、
詳しく丁寧に説明しているのに、
なぜか反応が悪い。

時間をかけて資料を作り、
専門知識を分かりやすく伝えているつもりなのに、
お客様の表情が曇っていく。

そんな経験はありませんか。

今回も、技術者、専門家のあるある話です。

実は、
親切心から生まれる「丁寧な説明」こそが、
お客様を遠ざける原因になっているかもしれません。

手遅れになる前に、
この構造的な問題を理解しておきましょう。

専門家ほど、
お客様に正確で詳細な情報を伝えようとします。
しかし、
この誠実な姿勢が逆効果を生むことがあります。

お客様の心理と専門家の思考パターンには、
決定的なズレが存在するからです。

工務店、システム設計会社、税理士、スクール運営者など、
どの業界でも共通して見られる現象です。

この問題を解決するには、
お客様の脳がどのように情報を処理するか
を理解する必要があります。

専門家にとって当然の知識も、
お客様には未知の世界です。

例えば、
税理士が「減価償却の仕組み」を説明する時、
論理的で分かりやすい説明をしているつもりです。

しかし、
お客様の脳は
「知らない単語がたくさん出てきて理解できない」
と判断し、
自動的に情報をシャットアウトしてしまいます。

人間の脳は、
複雑な情報に対して防御反応を示します。

これは認知負荷理論と呼ばれる心理学の概念で、
知らない単語1つでも大きな負荷がかかります。

人が新しい情報を受け取るには限界があるのです。

専門家が「丁寧に説明している」つもりでも、
お客様の脳は「難しすぎて理解不能」と判断し、
聞くことを諦めてしまいます。

お客様が求めているのは、
専門知識の詳細ではなく、
「自分にとってどんな良いことがあるのか」
という結果なのを忘れてはいけません。

専門家は正確性を重視するため、
あらゆる可能性や注意点を説明しようとします。
しかし、
現代のお客様は即座の解決を求めています。

決断するまでの時間軸が大幅に短縮化している時代に、
慎重で完璧な説明は
「時間がかかりそう」「面倒くさそう」
という印象を与えてしまいます。

お客様は困っているから相談に来ています。

その時の心理状態は
「早く解決したい」「安心したい」
という感情が強く働いています。

そこで専門家が細かい説明を始めると、
お客様は
「まだ話が続くのか」「いつ結論が出るのか」
と不安になります。

専門家の完璧主義が、
お客様の「早く解決したい」気持ちと
ミスマッチを起こしているのです。

技術的な正確性よりも、
まずは、
お客様の解決したい気持ちを優先するべきなのです。

お客様の購買決定は、
感情が理性より先に働きます。

「この人に任せたい」「安心できそう」
という感情的な判断が先にあって、
その後で理性的な根拠を探す。

これが、人間の自然な思考パターンです。

ところが、
専門家は論理的な説明から入ってしまうため、
お客様の感情が動く前に
批判や理由付けを行わせてしまいます。

感情が動かないまま論理的な説明を聞いても、
お客様の心には響きません。

むしろ
「売り込まれている」「説得されている」
という警戒心を生み出してしまい
離脱率を高めてしまいます。

専門家がいきなり技術や論理の説明を始めても、
お客様が知りたいのは
「私の未来は明るいのか」
という感情的な部分です。

工務店がいきなり工法の説明を始めても、
お客様が知りたいのは
「この家で家族が幸せに暮らせる」
という感情的な納得感です。

感情は論理に勝るということです。

実際に、
お客様の感情と時間感覚を理解することで
劇的に変化した専門家の例をご紹介します。

いずれも、
技術力は十分にありながら
説明方法で損をしていた事業者たちです。

彼らがどのような視点の転換で成果を上げたのか、
参考にしてください。

ある工務店経営者は、
断熱材や工法の優位性を丁寧に説明していました。
しかし、
お客様が求めていたのは技術的な詳細ではなく
「快適な暮らし」のイメージだと気づきました。

「冬でも裸足で過ごせる暖かさ」
「光熱費を気にせず過ごせる安心感」など、
生活の質の向上に焦点を当てた説明に変えた結果、
成約率が38%→67%に向上(約1.8倍)と大幅に向上しました。

ある行政書士は、
許認可の手続きについて詳細な説明資料を作成していました。
しかし、
お客様の反応は今ひとつでした。

そこで、
手続きの複雑さではなく
「許可が下りない不安」
に焦点を当てた説明に変更しました。

「手続きが複雑で心配ですよね。
 でも、私に任せれば大丈夫です」
という共感から始めることで、
お客様の警戒心が解け、
成約件数が月3件→月8件に増加(約2.7倍)と大幅に増加しました。

税理士として節税制度の詳細を説明していましたが、
経営者の関心を引くことができませんでした。

そこで、
節税によって生まれる資金で
「どんな事業展開ができるか」
「どんな未来が描けるか」
という夢の実現に焦点を当てました。

制度の仕組みよりも、
その先にある可能性を語ることで、
経営者の感情が動き、
相談者の成約率が22%→58%に向上(約2.6倍)に向上しました。

丁寧な説明がお客様を遠ざける理由は、
専門家の善意と現代のお客様の心理にギャップがあります。

お客様の脳は
複雑な情報を自動的に拒絶し、
即座の解決を求め、
感情的な判断を優先します。

一方、専門家は
正確で詳細な情報を論理的に伝えようとします。

この構造的なズレを理解することが、
集客成功への第一歩です。

重要なのは、
専門知識を捨てることではありません。
お客様の感情と時間感覚に合わせた伝え方に変えることです。

まずは共感し、安心感を与え、
その後に必要な情報を適切な量だけ伝える。

この順序を守ることで、
同じサービス内容でも全く違う結果を生み出すことができます。

具体的な改善策は、
各事業者の状況や業界特性によって異なります。

自社の説明スタイルを客観的に分析し、
お客様目線での改善点を見つけることが重要です。

具体策は貴社に合わせてコンサルティングでお伝えします。

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【編集後記】

IQが20以上違うと話が通じないと言われますが、
多くの場合、同じIQでも
・知らない単語
・単語の意味の取違い
・判断に迷う文脈などで、
話が通じない現象が起こります。

この現象のせいで学習障害が起きるほどです。

だから、お客様に時々、
話の内容を自分の言葉で言い換えしてもらうほうが良いです。

これをしないと
専門家や技術職の方々の話は
お客様に見えなくなっていますから、
お互いに注意しましょう。

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成果保証型V字回復メソッド開発者
マインドック 代表 鈴木栄美子

大手企業から個人起業家までの集客をコンサルティングし
9割のクライアントを増益させたメソッドの開発者

2001年独立。クライアント延べ3万人以上
フジTV/日本TVその他メディア出演多数

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